第65回『スイス周辺の建築を巡る』
ボッタ、コルビジェ、他
--このイベントは終了しました--
2010年01月30日(土)開催
ヨーロッパを地中海側と大平原側に分かつアルプスがスイスという国を作っている。イタリア・ドイツ・フランスに隣接する地域の人々がアルプスという自然の要害にまもられて仲良しクラブを構成しているといってよいだろう。ルガーノはスイスの南部、ティチーノ州の中心的な都市であり、スイスのイタリア語圏で最も大きな都市である。急峻な山あいにあるルガーノ湖に面し、イタリアの国境もすぐ近くだ。チューリッヒからは航空便も良いが、列車旅行も車窓からの景色がすばらしい。
医療建築がグローバル化し、医療に対する機能的側面が強調されるあまり、変わり映えのしない最近の病院デザインに、何かうんざりしている自分にとって、世界的建築家マリオ・ボッタと建築を語るのは建築観のコーナーストーンを確認するのに等しいイベントだ。宗教性を建築にものの見事に翻訳してしまう彼の天才を思うとき、医療建築も同じようなことを期待しても良いのではないかと考えた。
桑野 隆司
1949年大阪生まれ。地域美産会世話人、㈱日本設計メディカルコア代表取締役、㈱日本設計医療施設設計室統括部長。長年建築家として時代を代表する病院の設計監理を行うと同時に、研究会や海外研修ツアーを企画実施し、業界の横断的活動や後進育成に尽くす。現在は㈱日本設計メディカルコア最高責任者として、コンサルティング分野にも活動を広げ、病院施設更新に必要な経営診断、組織改善、基本構想策定を、従来の設計監理業務に加えて主宰しつつ、日本を代表する病院建築家の1人として国内外で活躍中。代表作品は川崎市立川崎病院、昭和大学病院中央棟、ボリビア国サンタクルス病院他多数。