第47回『横浜市の名園「三渓園」研究・探訪会』
神奈川の美産研究第一人者、藤島俊会さんが解説
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2007年06月23日(土)開催
横浜市本牧にある三溪園は、生糸貿易により財を成した実業家原三溪によって1906年(明治39)5月に公開された、首都圏における名園の一つ。175,000m2に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物(重要文化財10棟・横浜市指定有形文化財3棟)が巧みに配置されている。1908年(明治41)に外苑、1923年(大正12)に内苑が完成し、三溪の存命中は新進芸術家の育成と支援の場ともなり、前田青邨の「御輿振り」、横山大観の「柳蔭」、下村観山の「弱法師」など近代日本画を代表する多くの作品が園内で生まれた。三渓園は先の戦災により大きな被害をうけて、1953年(昭和28年)横浜市に譲渡・寄贈されて以後、財団法人三溪園保勝会が復旧保全に努め、現在の景観を維持している。
三渓園を開いた原三溪は、岐阜県出身で元の氏名は青木富太郎。当時跡見女学校に助教授教として奉職していた富太郎は、1892年(明治25)教え子であった横浜の事業家、原善三郎の孫娘、屋寿と結婚、原家に入籍して家業を継承し、生糸輸出事業等で大成功を収めた実業家。彼は文化芸術にも造詣の深い人物で、由緒ある古建築物の移築保護、近代日本画家の支援・育成を行った。
地域美産会を代表する専門家の一人、藤島俊会さんが、このように芸術性豊かな三渓園の解説にどう挑戦するか、この解説も、今回の『三渓園研究・探訪会』の魅力の一つです。このような魅力を味わった後での交歓会は、横浜中華街美産会で好評だった広東料理店「吉兆」で行う予定。併せてご期待下さい。
次の催事予定 : 8月25日(土)~27(月)冨山の会員、長谷川総一郎さん企画「いなみ高岡美産会」
藤嶋 俊會
昭和18年(1943)会津若松市生まれ。中央大学法学部卒、神奈川県庁勤務。神奈川県民ホール開館時より現代美術の展覧会企画従事。著書に「神奈川の野外彫刻」、「昭和の美術(彫刻編、共著)」ほか。元神奈川芸術文化財団ギャラリー課長、Public Art Forum地域美産研究・探訪会世話人。
詳しくは当会発行の地域美産研究会Newsをごらんください。