第42回『新渡戸「武士道」のエッセンス/今なぜ武士道か』
杉村荘吉企画“心の美産研究会2”
--このイベントは終了しました--
2006年12月16日(土)開催
東京青山 パブリックアート研究所: 12月16日(土)14:00~16:00
四季の変化が激しい、その四季がつくる豊な季節感と収穫物、周囲を海に囲まれ外からの侵略を受けにくいことなど、日本特有の自然環境は、そこに暮らす人々に日本ならではの感性や倫理感を育みました。それらが他国に無い美しい公徳心を育み、過去の様々な国難を乗り越えた礎となってきた気がします。戦後60年、その公徳心は軍国主義に結び付くもの、自由主義に反するものとして忌避され、それが今頻繁に発生する行政や教育現場の乱れ、個人生活の乱れに繋がっていませんか。
8月の「新渡戸稲造『武士道』読書会」へ参加した皆さんの発言から分かったことは、「このような乱れを正す為に、次の時代の日本に必要な公徳心をもう一度取り戻したい、その為に「新渡戸稲造『武士道』について知りたい」とする皆さんの想いでした。
もう一つの収穫は、解説者江川淑夫さんの“新渡戸の武士道は、米国でキリスト教関係者を通じて地域のリーダー達に知己を得た新渡戸が、米国における日本と日本人の価値を高める為に書いた本ではないかと思う。この読書会の目的の一つが「次代の日本の為の【新しい公徳心】探し」であるならば、他の著述も研究する必要がある”と語ったことでした。
江川さんの解説は、当日の参加者を一気に活性化させ、侃々顎々の話合いから会の方向性をも明快にしました。“新しい時代に見合う日本のPublic Manner探し:「心の美産研究会」”です。それを“楽しく解かり易く、誰でも参加可能な形で開催する”ことを、心掛けるつもりです。
今回はその序編と位置付ける研究会で、先ず杉村が杉村なりに把握した新渡戸『武士道』の真髄・エッセンスを、次に美産会々員で日本史愛好家、田中啓介さんが、「武士道ブーム四つの波」「『葉隠』と奉公人」「女性と武士道」等について語る予定です。江川淑夫さんは他の年末行事と重なり今回欠席、英語は事例参照を除き不使用となります。
田中 啓介
地域美産会会員。昭和9年(1934)年大阪生まれ。神戸大学経済学部卒。日本ビクター㈱入社、ビクター音楽産業㈱出向。同社営業部長、洋楽部長、取締役社長室長など歴任。
日本文化史と古代史愛好家。
杉村 荘吉
Public Art Forum地域美産研究・探訪会世話人会代表。バーバラ・サンドリッセ(環境美学研究家)の「パブリックアートとしの鳥居、その不思議な魅力」翻訳を機に、鳥居とその向うに見える日本の美と暮らしに惹かれ、平成14年その価値を殆ど意識することのなかった地域の社会文化遺産を、再発見する「地域美産研究・探訪会」立上げる。著書「パブリックアートは街を語る」東洋経済新報社 他。
詳しくは当会発行の地域美産研究会Newsをごらんください。