地域美産研究会 設立のきっかけ
パブリックアート・フォーラムは、平成14年(2002)12月迄の過去10年間、美術館から街中に出て、各地の街角や広場に設置された彫刻に代表されるパブリックアートたちに焦点を合わせて、もっぱら欧米におけるそれらの役割・効果を倣って、普及・研究活動を行ってきました。
その後、米国のパブリックアート著名作家 マヤ・リンが、伊勢神宮を日本の優れたパブリックアートとして挙げたこと、環境美学研究家バーバラ・サンドリッセがその著述「パブリックアートとしての鳥居、その不思議な魅力(2000年刊)」で、日本の鳥居をパブリックアートとして大変高く評価したこと、平成13(2001)年、女史の来日を記念して開催した特別フォーラム「バーバラ・サンドリッセと都心の鳥居を探訪し、女史の話を聞く会」での体験が、パブリックアートに対する私達の視点を大きく広げて、新しい活動を促しました。
私たちのごく身近かに古くから在って、地域の生活と密接に係わりながらその地の生活文化を創り育て、人々の心の拠り所になってきた、 その地ならではの美しき良きモノたちを、従来型のパブリックアートを含めて現地に訪ね、肌で味わい評価する。 それらの再発見・再評価を通じて、地域の暮らしと歴史に愛情・尊敬・誇りを感じ、心の充実・安寧を得ながら次代を生き抜く力とする。「地域美産研究会」は、このような主旨から平成14年12月1日に設立された活動団体です。